築年数40年の分譲マンションの一室をフルリノベーション。マンション特有の玄関の狭さを解消するため、入口には土間収納となるシューズクロークスペースを設けました。廊下を抜け、リビングドアを開けると奥行きのある明るいリビングダイニングキッチンが出迎えてくれます。壁付けだったキッチンは吊り戸をなくし、半個室のスペースにして対面式へと間取りを変更。キッチンスペースの壁面には壁紙ではなく左官による仕上げを施し、独自の風合いが高級感と落ち着きを空間全体に与えています。また、リビングとキッチンをつなぐ通路の天井部分は格子でアクセントを加えました。日当たりの良いリビングは可動式のガラスパーティションで仕切られており、空間の明るさや奥行きを失うことなく用途に合わせて4LDK・3LDKと間取りを変えることができます。各居室はナチュラル系のトーンで統一し、各部屋に収納を配置。建具には元から取り付けられていたレトロな雰囲気を残すドアを再利用。部屋ごとのデザインに合わせて取り付け直し、モダンなデザインになじむよう無垢の集成材の額縁をあしらいました。化粧洗面台は別注で作り付け、1mm程の薄塗りでコンクリートと同等の表面強度を持つ意匠性と耐久性に優れた「モールテックス」という左官材で表面を仕上げています。中古マンションでありながら、注文住宅のようなこだわりとデザイン性が詰まったリノベーション物件です。